職人を批判する管理者と管理者を批判する職人

ホアルー

今の日本の若い世代は職人的な技術・技能への関心は昔ほど高くないと言われています。

職人と一言に言っても伝統工芸や寿司・大工・製造技能など、様々な分野で職人といわれる人が存在します。

その中で、伝統工芸の分野は今でも付加価値の高い製品もあり、その伝統技能に見合った市場価格の製品なら、担い手も存在するかと思います。

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しかし、製造技能などのいわゆる工場の職人は、製品の量産化などに伴うロボットやNC工作機械での自働化・無人化によりその存在価値が下がってきているようなイメージを持たれています。

それにともない製造関連企業は、労務管理や工程管理に重点を置き、その管理者の育成に力を注ぐようになります。

しかし、その育成プロセスを間違ってしまうと現場は混乱します。


元来、製造工程の管理はその要素技術への知識と業務経験の上に成り立ちます。ものづくりを知らずしてその管理はできないという事です。

ですが、要素技術と管理能力を分けて考えてしまっている企業も存在し、工場の中で職人肌の現場実戦部隊と、管理部隊の意思疎通が上手くいってない工場もあります。

職人からすると、要素技術を知らない管理者が工程や品質管理に口を出してきて、その指示に仕方なく従うような状態になってしまいます。要素技術を知らない管理者の指示は、的を得ていない事も多々あるのです。

やがて職人は管理者や会社の方針を批判するようになり、管理者や若手の育成や会社全体をあげて行われる生産革新プロジェクトなどに非協力的になります。

そういった状態になると、管理者は管理者で、非協力的な職人を会社の方針に従わないと批判し、本来もっともコミュニケーションを獲りながら業務にあたるべき職人と管理者に溝ができてしまいます。


製造業の管理者育成は、やはり製造技能の継承ありきで、職人となった若手に管理能力をつけさせて管理者へと育成するという流れがベストであると考えます。

職人さんの技術への敬意をなくしてはいけない
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まあそのプロセスを経ようとすると時間もコストもかかるので、今の日本企業がそういった方針をとるというのは難しいでしょうが.....。
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Posted byホアルー

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