ルールを守る事を評価する日本と変化をもたらす事を評価する海外
多くの日本人企業戦士は、組織のルールを守りながら仕事をしています。
定められたルールと枠組みの中で、ルール通りに仕事をして結果を残す事を日本企業は評価する傾向にあります。
協調性を重視する国民性と、礼節を重んじる文化が、目立たず枠からはみ出さずに想定される成果の中で最高の結果を、ルールを守りながら出していく事を若手の頃から教育されます。
モノを大量に作り、大量に買い手がある時代はある意味それでよかったのかもしれません。
とにかく作れば売れるので、革新的な事や創造性が飛び抜けた仕事なんかする必要がなかったのです。
ですが、現代の世界はITの発達で情報の速度は、以前では考えられないほど早くなり、かつ各産業市場は目まぐるしく変化し、中国・南米・東南アジア・アフリカなど一昔前には発展途上国と言われた国も、
急速な経済発展を遂げ、その勢いよろしく革新的で創造性に富んだ技術やサービスが新興国発信で生まれる事も珍しくなくなりました。
そういった国では、ルールを遵守して仕事をするだけでは評価されようもないです。ルール自体が不完全で改善の余地がいくらでもあるからです。
故に変化をもたらせる人材を企業も欲していますし、働く人々も変化をもたらす事に価値を見いだしている人が多いです。
一方で日本はというと、変化する事を恐れ、社内ルールを遵守し、上司の顔色を伺いながら規律の中で最高の結果を残そうと努力しています。
特に製造業はその傾向が顕著で、作業標準や工程指示書は絶対で、疑う余地のないものと考え仕事をしてしまっています。
外国人エンジニアと仕事して気付くのが、日本人は組織内で以前からルール化されているから、
— ベトナムアンカー (@vietnamlifework) 2019年1月15日
昔からやってるから、といった理由で、何も考えずに社内規則や作業標準を守って仕事をしてしまっている。
でも、本当はルールを疑って改善できるという事に価値を見出さなければならないはずなんですよね。
私は職業柄、外国人エンジニアやワーカーとも良く仕事をするのですが、彼らが日本人との仕事で一番疑問なのが、
日本人エンジニアやワーカーは作業標準や社内規格・デザインレビュー決定書などの社内基準を厳守し、それを疑うという発想がない事です。
社内基準を元に、工程設計や治具設計・製造技術設計を行えば、たとえ生産開始後に不具合が発生しても、社内基準に則った仕事をしたので、責任はないと言わんばかりに社内基準に疑いの目を向けません。
逃げ口にしているとも言えます。
しかし、あくまで人間が作ったルールなのですから、間違いや想定不足は起こりえます。
立法府が制定する法律ですら抜け道やざる法と言われるものがあるというのにです。
自らの会社の社内基準だから間違いがないなんて考えは浅はかであり、エンジニアとして技術と向き合えていないとも言えます。
もっとルールを疑うべきです。日本人は。
そこから生まれてくる発想や革新も必ずあります。
その疑うという行為がエンジニアとして更なる成長をもたらすのは言うまでもありません。
これはエンジニアに限らず、経営者や教育者などどんな職業にも当てはまると思います。
これからの若い企業戦士には、変化を恐れず、ルールを疑い、ルールを変えていく事に価値を見いだして仕事をしていって欲しいものですね。
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