伝統と革新の狭間で

AIやIOTが広く普及すると、やれいろんな職業がAIに仕事を奪われるとか、IOTと連動した産業用ロボットの普及により工場作業員の職が奪われるなど、
雇用に関しての懸念も広がりつつあります。
「創造性までもAIにアウトソーシングしてはいけない」というのは正にその通りですね。
— ベトナムアンカー (@vietnamlifework) 2019年2月20日
知の巨人、原島博氏が提唱「自己家畜化への警鐘」と「創造的生活者」への道 https://t.co/v3sSQOzp5u #THINKbusiness
ですが、上のツイートのように人間の創造性までもAIに任せるというのは、無理があると思いますし、たとえAIが人間の創造性までも凌駕するような学習能力を身につけられるとしても
人の心をうつような心に響く創造的なものをAIがつくりだせるとは私は思えません。
なぜなら、例えば伝統工芸の職人さんが何十年もの修練の末に作り上げた技術の結晶のような魂の工芸品に、人は魅力を感じ、その職人さんの忍耐や気迫・矜持に感銘を受けているという側面もあるのです。
<職人さんの技術への敬意をなくしてはいけない>
しかし、誰しもがそういった高付加価値の仕事をできるわけではないのも事実。
一昔前の安く大量にものをつくって売るという経営手法の企業においては、IOTと産業用ロボットの活用によりコストを圧倒的に下げる事で利益を創出できるケースもあるでしょう。
<製造業の生産工程のFA化>
ですが、それまで産業用ロボットのかわりに汗水たらしてものを作ってくれていた人達への敬意を忘れ、ぼろぞうきんのように解雇してしまって良いのかというと、そんな事が許されるはずもなく。
かといって誰もが創造性豊かな才能を持ち合わせているわけでもありません。
ここがAIやIOTを推し進めていく上で深く考慮し、議論しなくてはいけない点です。
組織運営の歴史において伝統的な手法で工程を作り上げてきたベテラン社員なら、産業用ロボットを活用する場合においても、その元となる要素技術や製造技術をロボットに教示する際の技術的なサポートも可能でしょうし、
若いエンジニアの技術的な相談や、社会における企業人としての人間形成をサポートする役割も期待できるでしょう。
結局は組織は人の集合体であって、けっしてロボットの集合体のみで組織を運営するなんていう事は不可能です。
ならば、人の教育にはやはり人でなければなりません。
そのあたりに”活人”の答えがあると私は考えます。
グローバリゼーションの潮流が世界を巻き込んでいく時代ですから、外国人労働者が増えていく日本でも、日本人のみで仕事を完結していく事も少なくなっていくでしょう。
言語の壁があるなら、AIに言語の壁を破壊させ、人との繋がりは人に任せれば良いのではないでしょうか。
伝統と革新の狭間で揺れ動く日本。
伝統と革新とそして異文化、全てを取り込んで最適なバランスで融合させる事ができれば、長らく停滞する日本経済の更なる飛躍への起爆剤となるかもしれませんね。
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